「つぎなる一歩へ」
第38回日本二分脊椎研究会を2021年7月17日に大阪大学吹田キャンパスのコンベンションセンターで開催いたします。第37回研究会は新型コロナ感染症のため通常の7月から12月に変更されましたので、皆様には次の研究会への準備期間が短く大変ご負担をおかけすることになりますが、一人でも多くの皆さんに大阪までお越しいただけるようしっかりと準備を進めたいと思います。
大阪での開催は第27回(百瀬均会長)、第32回(坂本博昭会長)に続いての3回目となります。諸先輩がたのこの疾患への思いを引き継ぎ、未来に向けて実りある会にしたいと思います。ご支援のほどよろしくお願い致します。
さて今回のテーマは『つぎなる一歩へ』とし、主題として【多職種連携集学的アプローチ】と【本邦における脊髄髄膜瘤胎児手術の現状】に焦点を置いた研究会を予定しております。【他職種連携集学的アプローチ】では、二分脊椎の診療には脳神経外科、整形外科、泌尿器科、小児科、新生児科、小児外科、看護師、理学療法士、ソーシャルワーカーなどの多科・多職種が関与していますが、診療に関わる全ての人の連携を取ることは容易ではありません。我々の施設でも、患者さんの情報をうまく共有できずに余計な負担をおかけすることが少なくありませんでした。そこで昨年より多職種連携集学的アプローチを目標に二分脊椎フォローアップ外来を立ち上げました。定期的にカンファレンスを開いて個々の患者さんの情報や治療方針を共有しています。まだ始まったばかりで課題も多いですので、皆様の施設での経験もご紹介いただき、より良い多職種連携医療の形を目指したいと思います。
【本邦における脊髄髄膜瘤胎児手術の現状】では、2011年に前向き無作為化試験で脊髄髄膜瘤胎児手術の有用性が示されて以来、米国を中心に胎児治療が広まりつつあります。このような背景のもと、国立成育医療研究センターと大阪大学では本邦での脊髄髄膜瘤胎児手術開始に向けた準備を進めてきました。脊髄髄膜瘤胎児手術が我が国の患者さんにとっても福音となるよう、最新の知見や準備状況を皆さんと共有できればと思います。
新型コロナウイルス感染症の状況を鑑みて、第38回日本二分脊椎研究会は、2021年7月17日に大阪大学吹田キャンパスのコンベンションセンターでの現地参加とWebex参加によるハイブリッド形式で開催させていただくことといたしました。
新型コロナウイルス感染症に関しましては、会場内が密にならないように十分広い会場を準備し、感染拡大の防止に細心の注意を払い実施してまいりますので、可能であれば現地でご参加いただけますと幸いです。伊丹空港と繋がるモノレールの阪大病院前駅からは歩いて10分程度です。大学構内の駐車場も利用できますので、車でお越しいただいても大丈夫です。吹田キャンパスで皆様とお会いできることを楽しみにしております。
もし、諸事情で現地参加が出来ない場合には、Webexを介してご参加いただけますので、多数の方のご参加をお待ちしております。
2021年6月 大阪大学大学院医学系研究科 小児成育外科 奥山宏臣